〈大雪〉を描く『枕草子』

書誌事項

タイトル別名
  • The Representation of a Heavy Snow in <i>Makura-no-sōshi</i>: The Portraits of Snowy Landscapes and the Author's Affection for the Empress
  • 〈大雪〉を描く『枕草子』 : 〈雪と中宮と私〉という肖像
  • 〈 オオユキ 〉 オ エガク 『 マクラノソウシ 』 : 〈 ユキ ト チュウグウ ト ワタクシ 〉 ト イウ ショウゾウ
  • ―― 〈雪と中宮と私〉という肖像 ――

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抄録

<p>『枕草子』には「雪」への言及が多い。なかでも「大雪」の風景が目に付く。だが、現存する気象記録と比べると、環境の忠実な反映というよりも、そこには独自のこだわりが見て取れる。「大雪」へ賞讃、それを〈中宮と私〉との一体感とともに描く姿勢は、八四段以降に顕著となるが、それは〈入内成功譚〉を抱え持つ八四段では、ついに描けなかったものでもあった。八四段で心ならずも「破棄された」雪たち。その傷を癒すかのように、以下の章段において、「大雪」はひたすら心地よい景物へと更新されていったといえる。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 62 (5), 29-38, 2013

    日本文学協会

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