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- 村山 実和子
- 九州大学大学院
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study of the Japanese Adjectival Suffix "-kuroshii"
- セツビ ジ 「 クロシイ 」 コウ
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抄録
近世の資料を中心に,「あつくろしい」「かたくろしい」「むさくろしい」などのように,形容詞を派生する「クロシイ」という接尾辞が見られる。まず,その意味・用法について観察すると,主にク活用形容詞に付き,不快感や非難など言語主体から対象へのマイナス評価を表すことが分かった。次に,その形式については,現代語では「あつくるしい」のように「〜クルシイ」という形が見られることから,従来は「〜クルシイ」が「〜クロシイ」へ形を変えたものとされてきた。しかし,中世の資料や現代方言に「〜クラウシイ」という形が見られること,「〜クロシイ」も「〜クルシイ」も連濁しないことなどを考え合わせると,「〜クロシイ」→「〜クルシイ」という変化であったと考えられる。「見苦しい」「息苦しい」のような,音形・意味ともによく似た「〜グルシイ」という形が存したために,このような語形変化が生じたものと考えられる。
収録刊行物
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- 日本語の研究
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日本語の研究 8 (4), 16-30, 2012
日本語学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205786629120
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- NII論文ID
- 110009603501
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- NII書誌ID
- AA11998386
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- ISSN
- 21895732
- 13495119
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- NDL書誌ID
- 024008317
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可