現代日本語における位置変化構文と状態変化構文の交替現象 : 格成分の対応の仕方

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タイトル別名
  • The Alternation between Change of Location Sentences and Change of State Sentences in Japanese : A System for Determining the Alternation Patterns
  • ゲンダイ ニホンゴ ニ オケル イチ ヘンカ コウブン ト ジョウタイ ヘンカ コウブン ノ コウタイ ゲンショウ カクセイブン ノ タイオウ ノ シカタ

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抄録

次のような〜ニ〜ヲ形と〜ヲ〜デ形の交替は壁塗り代換(場所格交替)と呼ばれている。グラスに水を満たす 〜ニ〜ヲ動詞グラスを水で満たす 〜ヲ〜デ動詞本稿はこの現象を次の観点から論じた。(1)〜ニ〜ヲ形と〜ヲ〜デ形の交替は、常に壁塗り代換のような形(ニ格句とヲ格句、ヲ格句とデ格句が対応するという形)で起こるのか。(2)格成分の対応の仕方はどのようにして決定されるのか。結論は次の通りである(上記(1)と(2)に対応させて示す)。(1)'〜ニ〜ヲ形と〜ヲ〜デ形の交替には壁塗り代換に加えて次のような交替がある。桜の葉に餅をくるむ 〜ニ〜ヲ動詞餅を桜の葉でくるむ 〜ヲ〜デ動詞(2)'上記(1)'は、〜ニ〜ヲ形と〜ヲ〜デ形の交替の場合、意味役割に着目しても、格成分の対応の仕方を予測できないことを示している。このことから当該現象の場合、格成分の対応の仕方は、意味役割には反映されない意味(動詞の個別的語義)によって決定されると考えられる。

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