日本語資料としての朝鮮語会話書〔明治前期〕

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タイトル別名
  • Korean Phrase Books Published in the Early Meiji Era as Research Materials of Modern Japanese
  • ニホンゴ シリョウ ト シテノ チョウセンゴ カイワショ メイジ ゼンキ

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抄録

近代語の資料として,従来ほとんど研究されて来なかったものに,明治期朝鮮語会話書がある。近代日本語の資料として,これをどのように扱うべきかを明らかにするため,まず,朝鮮語会話書の特徴・変遷を十分に検討する必要がある。そこで,本稿では明治期朝鮮語会話書の目録を示し,朝鮮語会話書の概要と特徴について,形式・内容と構成・表記・言語意識に分けて述べる。朝鮮語会話書は,日朝会話書から日清朝会話書へ,外交・貿易のためのものから戦争への活用のためのものへ,ハングルと片仮名による表記から片仮名のみの表記へと変化が認められ,その変化は時代背景と密接な関連がある。また,当時の口頭語がただちに反映されているとみなすには困難な点もあるが,時代による語法等の推移が観察できる資料群であり,当時の言語意識・著者や出版地による語彙の差異なども窺える。

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