原始惑星系円盤におけるダストと磁気乱流の共進化

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タイトル別名
  • Coevolution of dust and magnetic turbulence in protoplanetary disks
  • ゲンシ ワクセイケイ エンバン ニ オケル ダスト ト ジキ ランリュウ ノ キョウシンカ

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抄録

原始惑星系円盤における主要な乱流は,磁場とガスとの相互作用がもたらす磁気乱流である.乱流はダスト粒子の拡散や衝突速度の増加を引き起こすため,固体の成長進化に決定的な影響を与える.一方,微小なダスト粒子は,磁場とガスとの結合を生み出す電離ガスを効率良く取り除き,磁気乱流を安定化させる.これらの事実は,ダストと乱流が互いに影響を及ぼし合いながら進化することを示唆している.筆者らは,微小なダストが円盤内のガスの運動をどの程度安定化させるかを磁気流体シミュレーションによって調べ,これに基づいて微惑星形成における衝突破壊の問題の検証を行った.その結果,ダストの主成分が氷であるような円盤領域では,巨視的なダスト塊の一部が破壊されるだけで,破片として生じる微小なダスト粒子がガスの運動を十分に安定化し,残ったダスト塊のそれ以上の衝突破壊を防ぎうることを明らかにした.ダストと磁気乱流の共進化は,直接合体成長などによる氷微惑星の形成を駆動すると考えられる.

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