<隔たり>を維持した<分有>の動態 : LogosとLogoiとDia-logos(コメント論文,フォーラム1 マルティン・ブーバーにおける言語・時間・力-<隔たりと分有>の哲学とは何か-)

書誌事項

タイトル別名
  • Dynamics of 'Participation' Keeping 'Distance' : Logos, Logoi and Dia-logos
  • 〈隔たり〉を維持した〈分有〉の動態 : Logos とLogoiとDia-logos
  • ヘダタリ オ イジ シタ ブンユウ ノ ドウタイ Logos ト Logoi ト Dia logos

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抄録

翻訳的緊張感とも言うべき強度をもつ小野論文の思考の軌跡をたどりつつ、まず、小野氏が提起するブーバーにとっての「翻訳」の意味を、彼の自伝を手がかりに、(Logosにとば)」と「Logoi(諸言)」の二重世界を架橋することの(不)可能性の問題として把握し、そこに小野氏の言語・時間・力に関する翻訳的思考の意義を確認する。次に、言語で分節された世界と、それ以前の根源的無分節性との二重の世界の折り重ね方、不断の往還の仕方をめぐる、思想史におけるその幾つもの諸相を描き出した井筒俊彦の考察を補助線とした場合、ブーバーの対話哲学ないし<隔たりと分有>の哲学の相貌は如何に際立てられるかを問う。その試みを通して、小野氏が言葉を尽くした、「<分有>の只中でなお維持される<隔たり>」の動態と、そのトポスにおいてLogosが自らを分節しつつ現勢化する「Dia-logos」の本態についての理解に迫りたい。

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