「2015年度最優秀発表賞受賞論文」磁気流体波動がガス惑星の大気散逸と大気構造に与える影響

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タイトル別名
  • Impact of magnetohydrodynamic waves on the atmospheric escape and structures of gaseous planets
  • 2015ネンド サイユウシュウ ハッピョウショウ ジュショウ ロンブン ジキ リュウタイ ハドウ ガ ガス ワクセイ ノ タイキ サンイツ ト タイキ コウゾウ ニ アタエル エイキョウ

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説明

<p>ホットジュピターのような短周期ガス惑星では,大量の質量放出が発生していることが紫外線でのトランジット観測から明らかになっているが,その詳細なメカニズムについてはまだ解決されていない点が多く残されている.我々はガス惑星大気中での磁気流体波動の伝播とその散逸によって,惑星からの大気の流体力学的な流出が駆動されるというモデルを提案し,磁気流体力学シミュレーションを行うことによってそのモデルの検証を行った.その結果,磁気流体波動の散逸によってガス惑星の高層大気は高温に加熱され,大気の乱流が一定の強度以上であれば,観測されている値と整合的な質量放出率が得られることが判明した.さらに質量放出率と大気構造の,惑星質量や半径などのパラメータ依存性についても議論し,質量放出率は大気の圧力スケールハイトに強く依存している事を示した.またこのモデルを大気散逸が観測されている惑星 GJ 436b に対して適用した結果,従来の大気散逸駆動モデルでは説明が困難であった観測的特徴を説明出来るパラメータが存在することが判明した.我々の研究は,ガス惑星大気中での磁気流体波動は大気散逸や大気構造に大きな影響を与える事を意味するものである.</p>

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