コミュニケーションを媒介し生成する民族誌映画 : エチオピアの音楽職能集団と子供たちを対象とした映画制作と公開の事例より(<特集>人類学と映像実践の新たな時代に向けて)

書誌事項

タイトル別名
  • Anthropological Films that Mediate and Promote Communication(<Special Theme>Towards a New Age of Anthropology with Visual Practice)
  • コミュニケーションを媒介し生成する民族誌映画 : エチオピアの音楽職能集団と子供たちを対象とした映画制作と公開の事例より
  • コミュニケーション オ バイカイ シ セイセイ スル ミンゾクシ エイガ : エチオピア ノ オンガク ショクノウ シュウダン ト コドモ タチ オ タイショウ ト シタ エイガ セイサク ト コウカイ ノ ジレイ ヨリ

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抄録

本論の目的は、エチオピアの音楽職能集団や路上で生活する子供たちを対象とした映画の制作と公開を事例に、コミュニケーションによって生成する人類学的な映像実践を示すことにある。私は、撮影者の存在や行動を前景化し、撮影の過程でかわされる撮影者・被写体間の議論を映像の中であえて開示し、撮影プロセスを明示する方法を発展させてきた。人類学における映画を通した研究実践は、映画を視聴する幅広いアクターの存在や役割を等閑視する傾向にある。それに対して、本論では、私の映画に登場する人々にはじまり、人類学者、北米のエチオピア系移民等、多様な視聴者の意見、批評、問題提起によって、対象を理解する新たな視点が得られることを指摘する。つまり本論では、作品を完結した表象としてではなく、それを視聴する人々との相互作用の中に位置づける。さらにその相互作用が、研究の新たな展開を生成させうる創発的な営みであることを提示する。

収録刊行物

  • 文化人類学

    文化人類学 80 (1), 6-19, 2015

    日本文化人類学会

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