02社-10-口-32 有機体の哲学の系譜を汲む嘉納柔道思想「精力善用自他共栄」とその構成理論である三宅雪嶺の宇宙有機体説

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タイトル別名
  • 嘉納柔道思想と三宅の宇宙有機体説の固有性と普遍性

抄録

<p> 「心と体を一体としてとらえ」、平成元年改定で世界の中の日本人という視点から「武道」は再登場したが、嘉納が柔道の実践より求めた(東洋の)「道」・「精力善用自他共栄」の形成に日常生活で「良知」を磨く事上磨練を重んじ、修養による我(の「心」)と宇宙(の「原理」)の小我大我の渾一を説く、陽明学をベースとした三宅の現象即実在論・宇宙有機体説が応用され、さらに、それが「精力善用」「自他共栄」として、「自他共栄」が国際道徳として展開していく。また、三宅の宇宙有機体説では、異質な要素で構成される「人体」や「社会」も「宇宙」という有機体の中で進歩していくには共同性を想定する必要があるとされる。これは東大でのフェノロサの講義のスペンサーの社会有機体説の影響が考えられる。嘉納も受講したこの講義を三宅は「重きをヘーゲル(の「絶対精神」)に置き「宇宙」の展開を説いた。」と述べている。儒教では「宇宙我が心に他ならず」とされるが、このことは「修身斉家治国平天下」の倫理とヘーゲルの観念論哲学の類似性を想起させる。本発表では(有機体の哲学としての)嘉納・三宅の思想の個別性と普遍性について考察していきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205813486976
  • NII論文ID
    130006352371
  • DOI
    10.20693/jspehss.68.84_2
  • ISSN
    24241946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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