興教大師覚鑁の成仏論(1) : 現生・生身の成仏

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Kakuvan's thoughts of attaining to be buddha -part 1- : On the thought of attaining to be buddha in this existence and whith this physical body
  • コウギョウ ダイシ カクバン ノ ジョウブツロン 1 ゲンセイ ナマミ ノ ジ

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説明

興教大師覚鑁の成仏思想に就ては、これまで殆ど何の論証も無しに速疾・現生成仏説として捉えられている様である。而し覚鑁以前に、弘法大師空海の『即身成仏義』に於る〈即身成仏〉思想、異本『即身成仏義』諸本の三種即身成仏説、伝教大師最澄の『法華秀句』に見られる〈即身成仏(大直道)〉説と、それから展開した日本天台宗の〈円教の即身成仏〉思想等が在る。そこで覚鑁の著作を検討してみると、速疾成仏説ではあるが、その中で現生の生身の成仏を主張しており、又その成仏の果を三身即一の妙覚仏としている。この即身の意味に於て現生、特に生身を問題とするのは天台宗の〈円教の即身成仏〉思想の特徴と考えられるものであり、三身即一の妙覚仏というのも天台宗の仏身論に拠るもので、即ち覚鑁に於る天台(台密を含むか)教学からの影響を認める事ができる。

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 41 (0), 73-90, 1992

    智山勧学会

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