WYNNERE AND WASTOURE試論 : その政治的、経済的、宗教的姿勢について

書誌事項

タイトル別名
  • AN ESSAY ON WYNNERE AND WASTOURE, WITH SPECIAL REFERENCE TO THE POLITICAL, ECONOMIC AND RELIGIOUS ATTITUDES OF THE POET
  • Wynnere and Wastoure シロン ソノ セイジテキ , ケイザイテキ , シュウキョウテキ シセイ ニ ツイテ

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抄録

所謂「頭韻詩復興」の最も初期に位置する、極めて色彩感に富んだ作品Wynnere and Wastoure [以下WWと略称]-吟遊詩人によって吟ぜられた名残とおぼしきものを各Fittの末尾にとどめている-は、その姉妹作であるThe Parlement of the Thre Ages [以下PThAと略称]とともに論争詩の系譜に属するものとしても興味深いが、それは更にdream visionであり、allegoryであり、政治的、社会的、経済的な題材を扱ったものでもあって、Piers the Ploughman [以下PPと略称]とその系譜に属するいくつかの作品の先駆としても我々の関心を大いにそそるものがある。しからば、十四世紀という、宗教的にも、社会的にも、経済的にも、一大変動が起りはじめる世紀-いいかえれば、封建制も教権もともに崩壊の兆しを見せ、やがて来るべき十六世紀の宗教改革と十七世紀の社会革命とに向って、Englandの社会全体が地辷りを開始したと思われる時代-の半ばにあたって、作品WWは、政治的、経済的、宗教的にどの様な姿勢をとっているであろうか。小論の目的は「第一義的に時事パンフレット」であるこの作品の種々の姿勢を、PP及びその周辺にある作品との関連において明らかにすることにある。

収録刊行物

  • 英文学研究

    英文学研究 43 (1), 1-14, 1966

    一般財団法人 日本英文学会

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