スウェーデンの高校における必修科目の教育目標 : 数学の全国学力テストの検討を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Goals of Mandatory Subjects in Upper Secondary Schools in Sweden : With Respect to National Tests on Mathematics
  • スウェーデン ノ コウコウ ニ オケル ヒッシュウ カモク ノ キョウイク モクヒョウ スウガク ノ ゼンコク ガクリョク テスト ノ ケントウ オ チュウシン ニ

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説明

本研究の目的は,スウェーデンの高校においてすべての生徒に必修とされている科目の教育目標を具体的に明らかにすることである。検討に際しては,専門分野によって有用性や学力格差がとくに大きいと考えられる数学をとりあげた。まず,教育実践を規定する法規である「レーロプラン」「コースプラン」「成績の基準」が基づいている知識観とこれらに記されている目標,およびスウェーデン国内の研究から,共通必修科目である数学Aの教育目標を検討した。その上で,これらの規定を設問という形で具体化している全国学力テストの問題と評価を検討した。法規では,数学Aについて,数学の定理や用語等を知り理解することにとどまらず,それを日常生活や専門分野に「応用」できることが目指されていた。数学Aの全国学力テストでは,日常生活との結びつきが,設問の文脈のみでなく解答方法においても求められていた。また,計算や定理を単純に適用することではなく,概念や法則の意味を理解していることや,既有知識を用いて考察することが求められていた。そこでは多様な考え方が認められており,明確に言葉で説明できなくとも図で表現できていれば認められていた。このように各人の能力レベルに応じて,各専門分野の文脈で,考察することが可能であると考えられており,このことから,学んだ知識内容を各専門分野に応じた文脈で「応用」することが共通の学力として位置づけられていた。

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