日本におけるメディア・リテラシーの変質とその原因 : 「メディア教育」に関する言説の分析から

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タイトル別名
  • The Process of the Alteration of "Media Literacy" in Japan : In Relation to the Discourse on "Media Education"
  • ニホン ニ オケル メディア ・ リテラシー ノ ヘンシツ ト ソノ ゲンイン ; 「 メディア キョウイク 」 ニ カンスル ゲンセツ ノ ブンセキ カラ

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抄録

日本において,メディア・リテラシーは複合的な能力としてとらえられている。しかし教育実践の中では,メディアによって表現する能力,メディアによる情報を解釈する能力,メディアを使用する能力といった要素のうち,ひとつだけにしか力点を置ていない場合でも,それはメディア・リテラシー教育であると解釈されてきた。メディア・リテラシーの解釈が多様化しはじめる傾向は,1980年代から90年代にかけての「メディア教育」に関する議論の中に見出すことができる。日本のメディア教育が「メディアについての教育」と「メディアによる教育」を統合する概念へと変化する中,メディア教育が目標とする能力であるメディア・リテラシーの解釈もまた,その幅を広げていった。結果として日本では,「メディア教育」の枠組に含まれるあらゆる実践を「メディア・リテラシー教育」として解釈しうる状況が生まれたのである。

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