A Japanese Adaptation of “The Raven” Hagiwara and Poe

DOI

抄録

<p> 萩原朔太郎は自作詩、「鶏」をポーの詩、「大鴉」の“翻案”と呼んでいる。ポーがその中に「大鴉」のデザインを自ら明かしてみせる「創作哲学」に照らして、「鶏」の構成を、九つの点、一、長さ、二、趣意、三、情調、四、繰返し句、五、場所と時間、六、主題、七、クライマックスでの音韻効果、八、雰囲気の変化、九、終りにおける象徴性、について比較分析してみると、「鶏」はポーのデザインに全面的に一致するものではないが、大筋はそれに従っていることがわかる。恐らく、朔太郎は遠くに鶏鳴を聞き、「創作哲学」を審美上の指針として、「鶏」を作成したのであろぅ。だが、この“翻案詩”において、朔太郎は、日本の詩の伝統に育った詩人としての自己の特性を、放棄することはなかったのである。(ミネソタ大学)</p>

収録刊行物

  • 比較文学

    比較文学 16 (0), 158-146, 1973

    日本比較文学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205835263104
  • NII論文ID
    130005699873
  • DOI
    10.20613/hikaku.16.0_158
  • ISSN
    21896844
    04408039
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ