芸術教育におけるコミュニケーション研究の試論 : 感性的コミュニケーションの視点から

  • 笠原 広一
    京都造形芸術大学芸術教育研究センターこども芸術大学

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Practical Theory for Communication in Arts Education : An Effective Approach by Sensibility Communication
  • ゲイジュツ キョウイク ニ オケル コミュニケーション ケンキュウ ノ シロン : カンセイテキ コミュニケーション ノ シテン カラ

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抄録

多様な価値観や差異が増大する社会では,理性的コミュニケーションが有効である一方,近代の理性中心的な合理主義の弊害を越えるべく感性的コミュニケーションが求められる。理性と感性の統合は美的教育の歴史的重要テーマであった。それには単に操作的統合ではなく,矛盾する概念相互の動的緊張関係を伴う統合の具体的方法が必要である。近年の感性研究の中で,気持ちの繋がりを質的心理学的の視点から「感性的コミュニケーション」として研究する理論に注目した。それに依拠することで,「気持ちの繋がりと喜びを感じる実践」「自発性と遊びから始まる実践」「感性と理性を往還する多様な共有方法」「実践者の感性的かつ理性的な省察」が芸術教育実践の新たな指標として導きだされた。

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