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- 斎藤 誠
- ナブテスコ(株)技術本部CAE・材料技術
抄録
機械系の一ユーザーからみたFEM構造解析(CAE)の今後を展望する。CAEは確実に設計や開発に役立ってきた。連続的な構造の変形や応力はどんなコードでも相当に大きなモデルも実用的な時間で解析できるようになった。一方、不連続な構造物の場合はその扱いが難しかったが、接触を考慮できるコードの出現は解析技術者にとっては新しい世界が広がったという感動があった。近年、この接触機能は動的解析にも取り入れられ、衝突、滑り、回転などの機械的な運動のシミュレーションが可能になってきた。当社は精密機械を生業にしており、早くから接触を考慮した動的解析に取り組んできた。図1は当社主力製品のひとつであるRV減速機の全体解析例であるが、外からは見えない内部の部品間の動きが手に取るように再現され、かつ各部品の弾性変形の影響が明瞭に見えるため、設計者に与えるインパクトは大きく、製品改良に加え、機能や動作のロバスト性が検討できるようになってきた。設計者が想像していなかった動きが判明することも多く、解析技術者にとっても好奇心を刺激される面白い仕事である。いくつもの複雑な機械の動きが解析できるのを見ると、接触が考慮できる動的解析は原理的にはすべての機械の動きを解析できるのではないかと思われる。現時点ではまだ改良すべき点は多いが、10年程度の未来では複雑な機械の機能・性能の解析が実用的なものになっているものと思われる。
収録刊行物
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- 計算力学講演会講演論文集
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計算力学講演会講演論文集 2012.25 (0), _F-107_-_F-108_, 2012
一般社団法人 日本機械学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205858071040
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- NII論文ID
- 110009960588
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- ISSN
- 24242799
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可