脳波のフラクタル解析に基づいた感性志向型スポーツ用品の開発事例紹介(基調講演)

書誌事項

タイトル別名
  • On the Development of Sensibility oriented Sporting Products on the basis of EEG Fractal Analyses

抄録

現在,国内産業の空洞化が進み,従来の価値軸(価格,性能,信頼性)では,海外製品に対する優位さが希薄となりつつある.そのため,性能,価格,品質に次ぐ,第4の価値軸として,感性価値という新たな基軸からのモノづくりが注目されている.従来では,製品に感性価値を付加しようとした場合,開発者の経験や多くのモニターによるアンケート調査による評価が主流であった.しかし,アンケート調査などでは,その人の主観が強く影響してしまうため,客観的な評価が困難である.その問題点の克服のために,本稿では,脳波を用いた製品評価についての事例紹介を行う.具体的には,製品使用時の脳波に感性フラクタル次元解析法を適用することによって,製品を使用している際(ラケットで打球時)の使い心地を評価した.その結果,実験の再現性の検証とともに,被験者が使いやすいと感じるラケットを見出すことができた.この評価は,一般的に区分されている使用対象のラケットの特徴と定性的に符合する.このような結果は,従来手法のアンケートの統計的処理からは評価することが困難であるため,脳波のフラクタル性に基づいた感性を指標とした評価法の有用性が確認された.

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