(1)エアロゾルデポジション法による常温セラミックスコーティングとプラズマ耐食コーティングとしての実用化開発(技術,日本機械学会賞〔2008年度(平成20年度)審査経過報告〕)
抄録
エアロゾルデポジション(AD)法は,新規なセラミックスコーティング技術で,サンドブラストの様に固体状態のセラミックス微粉末を常温で加熱することなく基板に吹き付け,機械的な衝撃力だけで,常温で緻密かつ高透明,高強度,高密着力のセラミックス被膜を高速形成する技術である.そして,この手法をイットリア膜の形成に適用し,バルク材や溶射コーティングを超えるプラズマ耐食性と高絶縁性を金属基材上で実現,これを次世代半導体製造設備用のプラズマ耐食コーティングや静電チャックとして事業化した.この技術開発の要となったのは,セラミック微粒子を常温で緻密かつ高強度に固化できる「常温衝撃固化現象」を発見し,その原理解明から原料粒子条件と調整技術を確立,量産レベルで,ポアやクラックのない緻密で均一な微細組織と均一な膜厚分布や高い平滑性を大面積にわたり実現することに成功したことにある.その結果,従来成膜技術でトレードオフにあった成膜温度と成膜速度の関係を打ち破る常識はずれの夢のコーティング技術の実現に成功した.環境負荷が少なく広範囲の技術分野で極めて有効な新時代のコーティング技術として期待される.
収録刊行物
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- 日本機械学会誌
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日本機械学会誌 112 (1086), 359-, 2009
一般社団法人 日本機械学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205907507584
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- NII論文ID
- 110007226691
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- ISSN
- 24242675
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可