-
- 西平 直
- 京都大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Mushin, Faith, and Spirituality : Mushin as the Origin and Stronghold of Non-Violent Resistance(Religion as Intellectual Thought,THE PROCEEDINGS OF THE SIXTY-EIGHTH ANNUAL CONVENTION OF THE JAPANESE ASSOCIATION FOR RELIGIOUS STUDIES)
- 無心、信仰、スピリチュアリティ--「抵抗の拠点としての無心」に向けて
- ムシン シンコウ スピリチュアリティ テイコウ ノ キョテン ト シテ ノ ムシン ニ ムケテ
この論文をさがす
説明
「無心」概念を手掛かりにした「宗教」の「際」の考察である。鈴木大拙『無心ということ』に拠りながら「子どもの無心」を問い、「信仰」を問い、「他者の痛みへの感受性」とつなぎ、「抵抗の拠点としての無心」を構想する。『無心ということ』の用語法は禅の伝統に依拠しつつも、禅に限定されない。浄土教にもキリスト教の内にも無心を見る。本稿はそれを「広義の無心」と名付け、人間自然(human nature)に属する事柄と理解する。次に、エリクソンの「アイデンティティの思想(アイデンティティを越えてゆくことbeyond identity)」を手掛かりにして、無心を「beyond "I"」と理解する。「I」は「我(自我・作為・我執性)」、「beyond」はそこから離れる・それを超えてゆく・その背後。しかしただ我から離れるのではなく、我から離れることもでき、それを生きることもできるという意味において、我に囚われない「自在」である。さらに、そうした「広義の無心」を「抵抗の拠点としての無心」と読み直す。非暴力的抵抗は「我」の怒りからは生じない。その「我」から離れる方向に初めて成り立つ。そうした「抵抗の拠点としての無心」を人間自然に属する事柄として読みとく試みである。
収録刊行物
-
- 宗教研究
-
宗教研究 83 (4), 1134-1156, 2010
日本宗教学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205951587456
-
- NII論文ID
- 110007580134
-
- NII書誌ID
- AN00406454
-
- ISSN
- 21883858
- 03873293
-
- NDL書誌ID
- 10585164
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可