KDPのX線非弾性散乱

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タイトル別名
  • Inelastic X-ray Scattering of KDP

抄録

<p>KDPの測定以前に強弾性相転移を示すLiNH_4_C_4_H_4_O_6_・H_2_O(LAT)のC_55_モードの分散関係をSPring8 BL35のX線非弾性散乱で測定し,LATではブリルアンゾーン境界の波数に対して,ゾーン中心から40%の波数領域で_C55_の弾性定数がゼロになっていることを明らかにした(JPSJ,85,014602,2016)。これは実空間では5単位胞の長さに相当し,約3nmである。この長さ以上の領域では,短距離と長距離の相互作用が補償されている。一方,KDPは分極揺らぎによる強誘電相転移を示すが,弾性定数が異常を示す温度領域が狭いので,C_66_がゼロになる波数が小さくなると予想して,KDPのC_66_モードの分散関係をX線非弾性散乱で測定した。その結果,ブリルアンゾーン境界の波数に対して5%の波数しかゼロになっていなかった。実空間では30単位胞で約30nmの長さに相当する。この違いは,強誘電相転移の分極が10倍遠くまで残っていることを意味し,強誘電と強弾性相転移の場合の原子間相互作用が大きく異なることを示しており,これを講演で発表したい。なお,講演時間が許せば,KDPの低温相にも言及したい。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206046776192
  • NII論文ID
    130006710448
  • DOI
    10.11316/jpsgaiyo.72.1.0_2662
  • ISSN
    21890803
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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