台北に移住した原住民族キリスト者 : カトリック教会の活動にみるアミの人々と原住民族神学

  • 岡田 紅理子
    上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Christian Indigenous Peoples in Taipei : An Ethnographical Survey on the Catholic Amis Community and Yuan Zhu Min Theology
  • タイホク ニ イジュウ シタ ゲンジュウミンゾク キリストシャ : カトリック キョウカイ ノ カツドウ ニ ミル アミ ノ ヒトビト ト ゲンジュウミンゾク シンガク

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抄録

第二次世界大戦以降、「原住民族」と呼ばれる台湾の先住民族グループの間ではキリスト教が信仰されている。本稿では、カトリック教会が台北に移住した原住民族アミを対象に運営する共同体の活動を事例とし、アミにとって共同体が果たす役割を検討した。台北では、1968年からカトリック教会による原住民族への司牧活動がはじまった。アミにとって共同体の活動は、都市生活に有益な情報を提供するとともに、自らを、他者から「都市原住民」と呼称される以外の「アミ」、「キリスト教徒」、「カトリック信者」というより正確で実像に則した自己を獲得する契機ともなっている。一方、1980年代からプロテスタント長老教会を中心に模索されてきた「原住民族神学」という概念がある。これは、原住民族という身分の考究と、キリスト教会が原住民族をあらゆる面から支援することを追求しようとするものであるが、当事者である原住民族自身による捉えられ方からの検討が必要となろう。

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 18 (0), 3-17, 2012

    「宗教と社会」学会

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