ベトナム南部村落におけるカトリック教会 : タンチウ村の事例から

書誌事項

タイトル別名
  • The Catholic Church and its Community in a Village of Southern Vietnam : A Case Study of Tan Trieu Village, Dong Nai Province
  • ベトナム ナンブ ソンラク ニ オケル カトリック キョウカイ--タンチウムラ ノ ジレイ カラ

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抄録

<p>ベトナムの近現代史は、フランス植民地支配に始まる。これはカトリック教会と密接に結びついて発展した。ベトナムの伝統的祖先祭祀を行う仏教徒によって、このカトリック教会はどのように受容されてきたのか。本稿の目的は、南部村落の一事例によって、カトリック信徒と仏教徒の関係性の変容を辿り、それを通して、村民が与えられた植民地状況下でどのような生活の形を築いてきたかを明らかにすることである。資料は、現地の教会、および神学校等の文字資料に加えて、現地調査によって収集した村民の「語り」を用いながら、1900年以前から社会主義国家成立後の現在に至るまで、政治的・社会的変動にしたがって時代別に変化を叙述していく。ここで明らかになったことは、政治的・社会的状況の変化とともに仏教徒とカトリック信徒の関係性は力動的に変化しており、村民は時代に応じて主体的に、また柔軟に政治および宗教に関与してきたということである。</p>

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 3 (0), 87-117, 1997

    「宗教と社会」学会

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