MMPI新日本版における項目隠蔽性の測定と隠蔽性の2次元性

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タイトル別名
  • Item subtlety and its two dimensions in the new Japanese version of the MMPI
  • MMPI シンニホンバン ニ オケル コウモク インペイセイ ノ ソクテイ ト インペイセイ ノ 2ジゲンセイ

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抄録

ミネソタ多面人格目録(MMPI)における項目隠蔽性は, 多様な定義と測定方法を使って行われてきた.本研究では, 隠蔽性に「採点方向の隠蔽性」と「異常性の測定に無関連」の2つの意味があることを, 3つの評定方法を実施した結果と先行研究の比較および主成分分析の結果から明らかにした.評定方法1では, 4人の専門家が, 項目に「あてはまる」あるいは「あてはまらない」と回答することがどの程度一般的な異常性を測定しているかとそのような測定と関係がない項目であるかを評定した.評定3も同じ評定をするが, 評定者が200名の非専門家である点が異なる.評定2は, 「あてはまる」「あてはまらない」のいずれに回答すると異常と判断されるかを答えさせた.その結果, 本研究の異常性の評定, Christianらの評定は, 「採点方向の隠蔽性」を測定しており, 本研究における無関連性の判断とWienerの隠蔽項目は「無関連による隠蔽性」を測定していることが明らかになった.この2つの隠蔽性を区別してこなかったことが, 隠蔽性に関する先行研究に一貫性した結果がみられなかった原因の一つであるといえる.

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