子どもの偏見に及ぼす親の影響について

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タイトル別名
  • Parental influence on prejudice of college undergraduates
  • コドモ ノ ヘンケン ニ オヨボス オヤ ノ エイキョウ ニ ツイテ

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説明

本研究では, 大学生とその親の偏見の強さを比較することにより, 子どもの偏見に及ぼす親の影響について検討が行われた.偏見の強さを測定する独自の尺度を作成し, 227名の大学生には, 自分自身と自分の認知した親の偏見について, 父親150名と母親152名には, 自分自身の偏見について評定してもらった.親子の相関をとると, 子どもと認知された親との相関が高く, 子どもと実際の親の相関は低くなっていた.パス解析の結果から, 子どもの偏見は, 親自身から直接的に影響を受けているというよりも, 認知された親イメージを媒介として影響を受けていることが示唆された.親子の関連の強さに影響する要因として, (1)親との同居の有無, (2)母親の就業状況, (3)幼少期の親の養育態度の3点について検討が行われた.その結果, 子どもが親に対してポジティブなイメージをもっており, 親子のコミュニケーションがより充実している場合には, 親から子への影響力が強くなり, 偏見の強さというよりも偏見のなさのほうが伝わっている可能性のあることが示唆された.

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