振戦を抑制する上肢装具の設計に向けた前腕の粘弾性分布の測定

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of forearm’s viscoelastic distribution for tremor suppression robot design
  • シンセン オ ヨクセイ スル ジョウシ ソウグ ノ セッケイ ニ ムケタ ゼンワン ノ ネンダンセイ ブンプ ノ ソクテイ

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説明

  本研究では,本態性振戦患者の振戦を抑制する効果の高い上肢装具を設計するために,生体軟組織が有する動的粘弾性のうち粘性要素が振動を抑制することに着目し,粘性の影響が大きい部位を装着部位とする設計指針を提案している.本論文では,人体に変位の強制振動を与えた際の変位と力の位相差を動的粘弾性の指標として,若年健常者3名の右前腕の掌側面における位相差分布を測定し,位相差分布の個人間の相関と,超音波画像を用いた内部構造の観察を行った.その結果,腱膜が厚い前腕近位部は位相差分布の個人差が小さいが,最小2.03[°]と低い位相差を示したため,拘束部位には向かないことが示された.一方,前腕遠位部は最大10.9[°]と位相差が高く拘束部位として適しているが,位相差分布の個人差が大きいことが示された.この結果を用いて,今後は,超音波画像診断と位相差測定をした振戦抑制装具のオーダーメイド設計手法を検討する.

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