日本人にとって理想自己と義務自己はどのように異なる自己なのか : 大学生が記述する属性語とカテゴリーの分析を通して

書誌事項

タイトル別名
  • What are the differences between the ideal and ought selves in the Japanese : An analysis of trait terms and categories in self-state representation by college students.
  • ニホンジン ニ トッテ リソウ ジコ ト ギム ジコ ワ ドノ ヨウ ニ コトナル ジコ ナ ノ カ ダイガクセイ ガ キジュツ スル ゾクセイゴ ト カテゴリー ノ ブンセキ オ トオシテ

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抄録

本研究の目的は, 理想自己と義務自己を構成する属性語とカテゴリーを, 現実自己を含めて, 比較・検討することであった.日本の大学生103名(男性42名, 女性61名)に対して現実自己, 理想自己, 義務自己を表す属性語を10ずつ記述するように求めた.表現統一後に得られた763種類の全属性語は, 大学院生3名の話し合いによって41のカテゴリーに分類された.その後, 各自己像のカテゴリー使用比率が比較された.現実自己は, 理想自己・義務自己よりも, より多くの種類の属性語で記述され, かつ, この自己像では, より否定的なカテゴリーが使用された.理想自己は, 義務自己よりも, 「身体的特徴」と「魅力」のカテゴリーの使用率が高かった.他方, 義務自己は, 理想自己よりも, 「責任」と「謙虚さ」の使用率が高かった.この義務自己に特徴的なカテゴリーの検討を通じて, 日本人を対象とする場合, 自己不一致理論は修正の余地があることが示唆された.

収録刊行物

  • 性格心理学研究

    性格心理学研究 8 (2), 113-124, 2000

    日本パーソナリティ心理学会

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