酒造工程に出現する微生物のしめす細菌酸度について

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  • シュゾウ コウテイ ニ シュツゲン スル ビセイブツ ノ シメス サイキン サンド ニ ツイテ セイサンキン ケンシュツバイチ ノ セッテイ
  • 生酸菌検出培地の設定

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説明

モロミより分離された腐造性乳酸菌4種一8株, 酒母乳酸菌2種-4株, 麹より分離された細菌5種-8株, 一般細菌3種-5株, 酵母5種-5株, および清酒用黄麹菌2株の計13属, 20種, 37株の微生物について腐造性乳酸菌のみが生育, 生酸する条件を検討し, 酵母エキス, ポリペプトン, ブドウ糖を主体とし, アクチジオンおよび窒化ソーダで選択性を付与した粉末培地 (YAS培地) を設定した。<BR>i) 腐造性乳酸菌, 酒母乳酸菌等の乳酸菌群は本培地において2.8~10.8mlの酸度を与えるが, 麹より分離された細菌ならびに工程に出現する可能性のある一般細菌および酵母, 麹菌は生育度が小さく, 酸度も1.2ml以下で, これらが混在する試料より乳酸菌群を細菌酸度を測定することにより検出することができる。一方カピサイジン培地ではcoli-aerogenes 細菌群, Staphylococcus, 酵母等モロミの生酸に直接無関係の微生物でも2.0ml以上の酸度をしめすことがあり, 細菌酸度測定用培地としては選択性にとぼしい。<BR>ii) 各種菌株を接種して製造した麹のしめす細菌酸度をYAS培地で測定し, 滴定酸度の大小より麹の生酸菌汚染を検出しうることを認めた。<BR>iii) YAS培地にBCGを添加し, pH5.2とした培地 (BCG培地) を使用すれば試料中の生酸菌の存在を培地の色調の変化 (深緑→ 黄) によって検出しうることを認めた。

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