「南極」生きている火山と大陸(<特集>南極の化学)

  • 倉沢 一
    通産省工業技術院地質調査所海外地質調査協力室

書誌事項

タイトル別名
  • Antarctic Volcanism and the Continental Shield
  • 「南極」生きている火山と大陸
  • ナンキョク イキテイル カザン ト タイリク

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抄録

南極大陸の西南極地域には数多くの火山活動がみられる。20世紀初頭からはじまった南極の科学的探検調査によって, ロス島のエレバス火山などが調査され, また南極横断山脈に広く露出する粗粒玄武岩(フェーラードレライト)岩床の岩石学的ならびに同位体地質学的な性質からのゴンドワナ大陸が復元されるなど, 南極地域の火成活動は注目されている。西南極の相対的に新しい地質時代の活動に対して, 東南極地域は何10億年という古い年代をもつ地塊地域であり, 地球形成後の地殻形成, 変成作用の研究に重要な地域となっている。90%以上を厚い氷河で覆われている極地, 南極大陸には, 地下深所のマントルの組成を知る手がかりも, 人類の最後の探検地として残されている。ここでは生きている新しい火山エレバスから, 古い地質時代の火成活動へとさかのぼりながら, 南極の地質現象の実態とそのトピックスを紹介しない。

収録刊行物

  • 化学教育

    化学教育 34 (2), 109-114, 1986

    公益社団法人 日本化学会

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