「暴動」をめぐる談話と「問題」の構築 : 2005年秋の「暴動」を事例に

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  • 「 ボウドウ 」 オ メグル ダンワ ト 「 モンダイ 」 ノ コウチク : 2005ネン アキ ノ 「 ボウドウ 」 オ ジレイ ニ

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抄録

本論文の目的は,2005年秋に発生した「暴動」を事例に,ニコラ・サルコジ内相(当時)へのテレビ・インタビューを資料として談話分析を行い,そこで何が「問題」として語られているのかを明らかにすることである。とりわけ,「暴動」の主体としてカテゴリー化される対象に注目し,談話によってそれが実体化される点を批判的に検討する。分析の結果,談話の社会性から考えられるその問題点を2点指摘した。第一に,「暴動」が「フランス(人)の外部にある」ものとみなされ,「取締り」が正当化されるという点。第二に,「不良」や「若者」といった語が,「外国人」や「イスラム」と関連付けられて語られることで,それらが混同され,フランスにおける「暴動」が,「外部」的な「問題」として談話の中で構築され,社会のなかで認知され得るという点である。

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