文系・理系を意識しない科学教育

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タイトル別名
  • Science Education as a General Education

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抄録

明治以来の日本の科学教育は,文系・理系選別意識のもとに行われてきたと言える。これは日本の文教政策が当時の富国強兵・産業立国という政治的経済的要求に合致させてきたことに原因があると言える。ヨーロッパ先進国においては19世紀まで大学に理学部工学部はなく,20世紀に入ってもリベラルアーツの精神が生き残り欧米数か国では今もなお文理融合教育が重視されてきている。ただ戦争の好きな国においてのみ,工学部重視の教育政策がとられてきたといえる。最近の大学改革の動きのなかに,学部レベルにおいてSTS科学の導入から文理融合学部の創設の傾向がみられる。こうした学部のカリキュラムを見ると,従来のような文系・理系選別教育を受けてきた学生には対応できなくなってきていると言える。21世紀の平和的・国際的な世界に生きるこれからの人間教育を考えるならば,高校段階までの科学教育では,文系・理系を意識しない,させないことを念頭におくべきであると言えよう。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206108313856
  • NII論文ID
    110002686026
  • NII書誌ID
    AA11161696
  • DOI
    10.14935/jsser.9.5_37
  • ISSN
    18824684
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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