大型アプリ維持プロジェクトの再生に向けた品質改善施策(<特集>プロジェクトの品質と顧客満足)

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タイトル別名
  • Quality Improvement Initiative to Visualize and Reform a Large Scale Application Maintenance Service Delivery(<Special Issue>Project Quality and Customer Satisfaction)
  • 大型アプリ維持プロジェクトの再生に向けた品質改善施策
  • オオガタ アプリ イジ プロジェクト ノ サイセイ ニ ムケタ ヒンシツ カイゼン シサク

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抄録

企業のIT投資が伸び悩む中,新たなSIプロジェクトの受注は,ますます厳しくなっている.お客様との関係性を強化し,ストックビジネスを確保/拡大するためにも,システム稼働後の確実なアプリ維持遂行は重要だ.しかし大型システムの長期維持ともなれば,お客様からの改善要求は,単純な機能変更から包括的改善まで多岐に亘る.一方で,お客様のコスト削減要求により要員は最小限とせざるを得ない.多くの場合,少人数の有識者が老朽化するシステム全体を維持していくことになり,それが,特にシステム改修時の影響調査における属人的故障につながる.サービス品質を担保するためには,まず,全改修要件を把握し,その属性を理解し,統合管理することが必要だ.これにより適切な要員配置とリスク管理が可能となる.また過度の属人化を回避するためには,長期に亘るシステム維持で形骸化しがちな作業プロセスの再定義と可視化が効果的だ.本論文で紹介するプロジェクトでは,システム改修の上流工程を再定義した.『要件定義工程』では,要件の属性を特定するための一貫した基準と,その属性に従い品質管理レベルを決定する指針が開発された.さらに『影響調査工程』とその作業手順が新設され,どのような情報に基づき,どう影響を判断したかを追跡できるようにした.結果,サービス品質の評価が大幅に改善されている.本論文で紹介するアプローチは,リスクと影響をいかに可視化し正しく評価するか,という点において,アプリ維持プロジェクトに広く適用できるものである.

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