メンタル不調からの復職者への適正な仕事配分 : ある製薬企業研究開発部門の事例分析

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書誌事項

タイトル別名
  • Job Allocation for Employees Returning to Work after Mental Health Treatment : Case Study of an R&D Department in a Pharmaceutical Company

抄録

本稿では,製薬会社の研究開発部門におけるメンタルヘルス不調からの職場復帰の成否に影響を与える要因について,復職者の上司および復帰者本人に対し聞き取り調査を行った。同じ会社の同じ部門内での復職事例を比較検討したことが本稿の特徴である。明らかになったことは以下の通りである。第一に復職の成否は(仕事の質が)易しい仕事から,やや難しい仕事を経て,難しい仕事に移行しているかどうかにかかっていた。メンタルヘルス不調者の復職プランを考える場合には,仕事の量だけでなく仕事の質を考慮して配分する必要がある。第二に,休職前の職場でやや難しい仕事を切り出せない場合があるが,復職成功事例では上司が復職者を他の部に異動させていた。一方,失敗事例ではこのような場合でも上司が異動させる措置をとっていなかった。第三に復職してすぐのタイミングで短時間勤務を行ったかどうかは,最終的な復職の成功に必ずしもつながっていなかった。

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 6 (1), 94-106, 2014

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206118466432
  • NII論文ID
    110009857400
  • DOI
    10.24533/spls.6.1_94
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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