麹菌胞子の耐久性に関わる遺伝子の発現制御機構について

書誌事項

タイトル別名
  • Regulatory Mechanism for Genes Involved in Preservation of <I>A. oryzae</I> Conidia
  • コウジキン ホウシ ノ タイキュウセイ ニ カカワル イデンシ ノ ハツゲン セイギョ キコウ ニ ツイテ

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抄録

麹菌は醸造発酵食品の製造に不可欠の微生物であり,わが国の醸造食品,食文化を支える国菌として醸造から酵素産業において広く用いられている。2005年に麹菌ゲノム配列解析が完了し,遺伝子からの研究や利用技術の開発が急速に進展しつつある。麹の元となる種麹の耐久性,胞子発芽性,保存性は種麹の品質のみならず,醸造工程での麹の生育にもかかわる注目点であり,高い発芽性を保持するために伝統的な種麹保存手法が編み出されてきた。<br>最近,広く活用されるようになったゲノム情報を利用して,種麹の発芽時に特異的に高発現する遺伝子や発現制御遺伝子を網羅的にとらえ,従来の保存法の的確性が科学的に解明されている。本解説では,麹菌のトランスクリプトーム解析の先端を走る研究者である著者に,麹菌胞子の耐久性や麹菌の環境対応に関する遺伝子発現についての最新の研究と今後の期待について解説していただいた。

収録刊行物

  • 日本醸造協会誌

    日本醸造協会誌 105 (12), 762-769, 2010

    公益財団法人 日本醸造協会

参考文献 (38)*注記

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