相対的年齢とカテゴリー : アラス族とトリオ族の事例を中心として

書誌事項

タイトル別名
  • Relative Age and Category : With Special Reference to the Alas and the Trio
  • 相対的年齢とカテゴリー--アラス族とトリ族の事例を中心として
  • ソウタイテキ ネンレイ ト カテゴリー--アラスゾク ト トリゾク ノ ジレイ オ チュウシン ト シテ

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説明

社会分類の基準としての相対的年齢と関係名称により決定されているカテゴリーとの関係は最も重要な社会人類学上の問題の一つである。ニーダム(NEEDHAM, R.)は,年齢とカテゴリーとの間の不一致の一般性を示すとともに,有系社会では分類の基準としてはカテゴリーが優勢であり,無系社会では相対的年齢が優勢であるという仮説を提示している。有系出自組織と有系型の関係名称体系を持つインドネシアのアラス(Alas)族においては,カテゴリーが社会分類の基準としては相対的年齢よりも重要である。一方,有系出自組織を持たない南アメリカのトリオ(Trio)族は,その名称体系は対称規定的であるが,カテゴリーよりもむしろ相対的年齢を社会関係の決定因としている。また,両社会においてもカテゴリーと年齢との間には顕著な重複・矛盾が観察できるが,それに対処する戦略には大きな相違が認められている。

収録刊行物

  • 民族學研究

    民族學研究 56 (3), 237-264, 1991

    日本文化人類学会

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