血液透析患者のプレガバリン薬物動態解析による補充投与の必要性の検討を行った2症例
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- 内田 裕之
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院薬剤部
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- 竹内 裕紀
- 東京薬科大学医療実務薬学教室
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- 河野 誠
- 株式会社鎌倉テクノサイエンス生物試験業務部
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- 矢尾 淳
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院腎臓内科
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- 中村 真理
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院腎臓内科
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- 宇田 晋
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院腎臓内科
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- 菅谷 弘之
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院血液浄化センター
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- 川口 崇
- 東京薬科大学医療実務薬学教室
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- 畝崎 栄
- 東京薬科大学医療実務薬学教室
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- 石井 嘉之
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院薬剤部
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- 浅井 茂夫
- 独立行政法人労働者健康安全機構関東労災病院薬剤部
書誌事項
- タイトル別名
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- Pharmacokinetic evaluation of the necessity of supplemental pregabalin administration after hemodialysis in two cases.
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抄録
<p>【目的】プレガバリン(PGN)の添付文書には、透析後の「血液透析後の補充用量」が記載されている。しかし、この補充投与量は透析開始6時間前に投与した場合のシミュレーションに基づいており、透析性のある薬剤は透析後に投与することが一般的である実臨床と条件が異なっている。著者らは血漿PGN濃度の高値が持続し、有害事象発生と関連を否定できない症例を経験しており、透析後の補充投与について十分検討する必要があると考え、PGNを継続投与中の血液透析患者における体内薬物動態を解析し、補充投与の必要性について検討した。【方法】維持血液透析患者でPGN投与中の2例を対象とした。PGN投与量は50mg/日であった。ダイアライザー前後の採血を含め透析日、非透析日の全7点で採血を行い、血漿PGN濃度を測定し、体内動態パラメータを解析した。【結果】2例の透析による補正後(真)の透析除去率、および透析クリアランスはそれぞれ55.6%、37.8%、および109.5mL/min,74.6mL/minであった。2例の透析クリアランスの平均値を用いて、1週間当たりの正常腎機能に対する透析の薬物除去寄与率を算出するとそれぞれ9.6%、4.9%であった。非透析日のPGN半減期はそれぞれ35時間、89時間であった。非透析日の推定AUC(eAUC)に対する透析日のeAUCの割合は、それぞれ85.3%、85.7%であった。【考察】本検討は症例報告であるが、透析日と非透析日のeAUCの差は15%程度であること、非透析時の半減期は延長しているため次回透析まで十分な血中濃度が維持できること、透析の薬物除去寄与率は僅かであることなどから、PGNを透析患者に投与する場合は、Ccr<15mL/minの投与量を透析後に投与すれば、「血液透析後の補充用量」の追加は必ずしも必要ではない可能性が示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本腎臓病薬物療法学会誌
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日本腎臓病薬物療法学会誌 6 (3), 189-192, 2017
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206190166272
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- NII論文ID
- 130006712622
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- ISSN
- 21898014
- 21870411
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可