広葉樹の多湿心材について(予報)
説明
1)広葉樹のある種のもの,たとえばヤチダモ,ハルニレ,オヒヨウ,ドロノキ,ヒツコリーなどは心材の生材含水率が辺材よりもはるかに多く,その場合,辺材と心材の境界で含水率に急激な差を生ずる傾向があり,それはアカマツ,ヒノキ,カラマツなどの針葉樹において辺材から心材へ移行するとき急激に含水率が低下するのと逆の現象ともいえる。このような心材を多湿心材と呼ぶことにしたい。2)多湿心材は樹種の特性であるばかりでなく,その種が属する属にある程度共通の性質である傾向が認められる。3)多湿心材の樹種では根から心材に水分が直接に供給されることが認められる。4)ニレ,ヤチダモの心材が加圧注入にさいして滲潤が良好なのは,これらの樹種が多湿心材であることと関連があるように思われる。また多湿心材の樹種は木材乾燥のさいに注意すべきである。
収録刊行物
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- 日本林學會北海道支部講演集
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日本林學會北海道支部講演集 12 (0), 33-35, 1963
北方森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206220756608
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- NII論文ID
- 110009707550
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- ISSN
- 24330825
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可