紀伊半島中新世珪長質火成岩類の全岩組成の広域的変化

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タイトル別名
  • Regional variation of whole rock chemistry of the Miocene felsic igneous rocks in the Kii Peninsula, southwest Japan
  • キイ ハントウ チュウシンセイ ケイチョウシツ カセイガンルイ ノ ゼンガン ソセイ ノ コウイキテキ ヘンカ

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抄録

紀伊半島の中新世珪長質火成岩について全岩主成分,微量元素組成を報告し,その広域的特徴について検討した.その結果,外帯花崗岩質岩には重希土類元素の枯渇が見られず瀬戸内火山岩類の流紋岩は重希土類元素に極めて枯渇すること,外帯域のSタイプ,Iタイプ花崗岩の分布境界は北東・南西方向であり,高マグネシア安山岩の分布および現在の和達ベニオフ面の等深度線と沿うことを見出した.さらに外帯Sタイプ珪長質火成岩および瀬戸内火山岩類の流紋岩の希土類元素組成について,堆積岩の部分融解実験に基づくモデル計算を行い,融解が起こった深度の違いにより,前者は斜長石に富む溶融残渣を,後者はざくろ石に富む溶融残渣を持つことで,説明できることを示した.外帯Iタイプ花崗岩の希土類元素組成についても玄武岩質岩の部分融解実験に基づくモデル計算を行い,やや軽希土類元素に富む起源物質の部分融解で説明できる事を示した.<br>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 113 (7), 310-325, 2007

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (19)*注記

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参考文献 (91)*注記

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