前期~中期中新世の北海道中央部における火山岩の地球化学的特徴:背弧拡大に伴う火成活動縁辺部のマグマの特徴

  • 古堅 千絵
    北海道大学大学院理学院自然史科学専攻
  • 中川 光弘
    北海道大学大学院理学院自然史科学専攻
  • 廣瀬 亘
    北海道立地質研究所
  • 足立 佳子
    北海道大学大学院理学院自然史科学専攻 現所属:新潟大学超域研究機構

書誌事項

タイトル別名
  • Geochemical character of Early-Middle Miocene volcanic rocks from central Hokkaido: Characterization of magma-related back-arc spreading at the margin of the volcanic field
  • ゼンキ チュウキ チュウシンセイ ノ ホッカイドウ チュウオウブ ニ オケル カザンガン ノ チキュウ カガクテキ トクチョウ ハイ コ カクダイ ニ トモナウ カセイカツドウ エンペンブ ノ マグマ ノ トクチョウ

この論文をさがす

抄録

北海道では日本海盆拡大に関連した火山活動が起こり,北海道中央部はその縁辺部にあたる.ここではバイモーダルな火山活動が起こり,苦鉄質岩は地球化学的特徴から,日本海盆玄武岩に類似した組成を持つEタイプ,EM1の特徴を示すUrタイプ,島弧的な特徴を有するWタイプの3つに分けられる.珪長質岩は,非島弧的な高アルカリタイプおよびアダカイトタイプ,島弧流紋岩の組成を持つ高シリカタイプの3つに分けられる.これらの珪長質岩は下部地殻の部分溶融によって生成されたもので,島弧会合部を反映した複雑な地殻構造がこれらの多様性を生じたと考えられる.マントル由来の苦鉄質マグマは,同時期に活動した日本海盆および日本海周辺の他地域の玄武岩よりもNb/Yb比が高く,またEM1組成が認められる.これらのことは,起源マントルがより深かったことを示唆している.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 116 (4), 199-218, 2010

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (66)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ