茨城県霞ヶ浦西部花室川河床礫層より産出した後期更新世末期のニホンアシカ化石

書誌事項

タイトル別名
  • Latest Pleistocene Japanese Sea lion (Otariidae) fossil from the riverbed of the Hanamurogawa River west of Kasumigaura Lake, Ibaraki Prefecture
  • イバラキケン カスミガウラ セイブ ハナムロガワ カショウレキソウ ヨリ サンシュツ シタ コウキ コウシン セイ マッキ ノ ニホンアシカ カセキ

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抄録

茨城県つくば市の花室川河床から海生哺乳類である鰭脚類の化石骨を発見し,ニホンアシカZalophus japonicusオスの左上腕骨と同定した.また,中島ほか(2002)に中手骨あるいは中足骨と報告されていた標本を再検討の結果,Z. japonicusメスの左距骨と同定した.Z. japonicusの左上腕骨の骨組織について14C年代測定を行い,27,900±120 14C BPの年代値と31,950~31,300 cal BPの暦年較正年代値が得られ,この化石の供給源は化石の産状も考慮して桜川段丘堆積物に相当する緩斜面堆積物であると推定された.この年代は,ナウマンゾウPalaeoloxodon naumanniに代表される花室川の哺乳類化石群の含有層の年代が後期更新世末期であることを裏付けるものである.また,陸生哺乳類を主体とする花室川の哺乳類化石群から鰭脚類の左上腕骨と距骨が産出した理由については,後期旧石器時代人による人為的行為の可能性を検証する必要性が指摘される.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 116 (5), 243-251, 2010

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (7)*注記

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