中部地方白亜紀花崗岩類中に発達するヒールドマイクロクラックを用いた古応力解析:

  • 金井 拓人
    早稲田大学大学院創造理工学研究科地球・環境資源理工学専攻
  • 高木 秀雄
    早稲田大学教育・総合科学学術院地球科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Paleostress directions estimated from healed microcracks in the Cretaceous granitoids:
  • 中部地方白亜紀花崗岩類中に発達するヒールドマイクロクラックを用いた古応力解析 : 特に中央構造線と直交方向に沿った変化について
  • チュウブ チホウ ハクアキ ハナオカガンルイ チュウ ニ ハッタツ スル ヒールドマイクロクラック オ モチイタ コ オウリョク カイセキ : トクニ チュウオウ コウゾウセン ト チョッコウ ホウコウ ニ ソッタ ヘンカ ニ ツイテ
  • their variation along a transect normal to the Median Tectonic Line, central Japan
  • 特に中央構造線と直交方向に沿った変化について

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抄録

<p>愛知県から岐阜県まで中央構造線(MTL)から約60kmの範囲に分布する白亜紀花崗岩類を対象に,石英粒子中に発達するヒールドマイクロクラック(HC)の三次元方向分布から,花崗岩体冷却時(75–67Ma)の古応力を推定した.混合ビンガム分布モデルを利用してHC極の最大集中方向にσ3軸を持つ古応力を抽出し,主応力軸の方向とMTLからの距離の相関を求めると,σ3が弱い相関,σ1およびσ2が無相関を示した.HCから推定されるσ3軸の方向は花崗岩体に発達する十数km規模の剪断帯の運動像から推定されるσ3軸の方向と調和的で,HCは形成時の広域応力場のσ3軸方向を記録している可能性がある.HC形成時の古応力場決定要因として,プレート収束に伴う圧縮と,市之川時階のMTLの正断層運動に関連する古応力の影響が考えられる.後者の影響がMTLからの距離が離れるほど弱くなるためにσ3軸の方向がMTLからの距離と弱い相関を示したと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 123 (3), 147-162, 2017-03-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (52)*注記

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