熱水域掘削に基づく新しい熱水系描像と生命圏の限界:IODP 331次航海の成果

  • 石橋 純一郎
    九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門
  • 柳川 勝紀
    九州大学大学院比較社会文化研究院 現所属:北九州市立大学国際環境工学部環境生命工学科
  • 高井 研
    海洋研究開発機構深海・地殻内生物圏研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • A new model for a hydrothermal circulation system and limit of the life
  • ネッスイイキ クッサク ニ モトズク アタラシイ ネッスイケイビョウゾウ ト セイメイケン ノ ゲンカイ : IODP331ジ コウカイ ノ セイカ

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説明

<p>統合国際掘削(IODP)331次航海は,中部沖縄トラフの伊平屋北海丘を対象として2010年9月に実施された.熱水噴出を伴うマウンド直近のSite C0016では,黒鉱鉱床に比する熱水鉱化作用を見出した.マウンド東側数百mに位置するSite C0013,Site C0014からは,かなり浅い深度の堆積層にまで熱水成分が広がることを示す様々な証拠が得られた.一方,1550m離れたSite C0017では,50mbsfに至る海水の浸入が明らかになった.熱水域の海底下には,熱水によって支えられる高温で還元的な環境と海水の浸入によって形成される低温で酸化的な環境が出会う領域がキロメートルに及ぶスケールで広がっており,そのような領域に海底下生命圏が発達している.本掘削によって,火山性砕屑層が分布する地質学的環境に発達する海底熱水系の新たな描像を示すことができた.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 123 (4), 237-250, 2017-04-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (38)*注記

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