山陰帯島根県尾原に分布する混成岩および優白質花崗岩の火成活動

  • 藥師寺 亜衣
    島根大学総合理工学部地球資源環境学科 現所属:岡山県津山市立北陵中学校
  • 亀井 淳志
    島根大学総合理工学部地球資源環境学科
  • 柴田 知之
    京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設

書誌事項

タイトル別名
  • Igneous activity forming hybrid rocks and leucogranites in the Obara area, San'in zone, Southwest Japan
  • サンインタイ シマネケン ビ ゲン ニ ブンプ スル コンセイガン オヨビ ユウ ハクシツ ハナオカガン ノ カセイカツドウ

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抄録

山陰帯には塩基性~中性岩のミングリングで形成した混成岩と呼ばれる岩体が散在し,優白質花崗岩を伴いつつMo鉱床や砂鉄鉱床を形成することがある.本研究では,島根県尾原の混成岩地域について詳細な地質学的・岩石学的検討を行い,Rb-Sr全岩年代測定を試みた.その結果,石英閃緑岩とトーナル岩とが大規模な混成岩を形成し,これに約61 Maの優白質花崗岩が貫入していることが明らかとなった.各マグマの結晶分化を検討すると,石英閃緑岩とトーナル岩は共にホルンブレンド + 斜長石を主体とする分別を経験し,優白質花崗岩は長石類の分別を経験している.この相違は,各深成岩類の化学組成の違いに繋がっている.尾原地域の混成岩には,砂鉄鉱床はあるが,Mo鉱床は無い.これは,深成岩類の固結時に強い酸化的交代作用が起こっていたものの,モリブデンを沈殿するような酸素分圧条件を獲得していなかったことを示唆する.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 118 (1), 20-38, 2012-01-15

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (34)*注記

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