数種類の台木におけるリンゴ樹の耐塩性の比較

書誌事項

タイトル別名
  • Salt Tolerance of Various Apple Rootstock Cultivars
  • スウシュルイ ノ ダイギ ニ オケル リンゴ ジュ ノ タイエンセイ ノ ヒカ

この論文をさがす

抄録

9種類のリンゴ台木 (下垂型マルバカイドウ, M 4, M 7, M 9, M 11, M 16, M 26, M 27及びMM 106) において耐塩性を比較した.<br>1. 1年生取り木台木をポットに土耕し, 1983年の生育期において, 0, 20, 40及び80mM NaCl溶液を30~60日間毎日灌水した.<br>葉の障害程度は, M 4, M 27次いでM 11で大きく, M 16及びM 26で比較的小さかった. 葉のCl及びNa含量は, 塩処理により, いずれの台木においても著しく増加した. Cl含量は, マルバカイドウ, M 9及びM 26において他の台木より少なかった. Na含量は, M 11で最も高く, M 16及びM 26で最も低かった.<br>2. 上記の9種類の台木に接ぎ木した‘ふじ’樹をポットに土耕し, 1984年の生育期において, 0, 25, 50及び75mM NaCl溶液を60日間, 3日に1度ずつ灌水した.<br>塩処理によりすべての台木において新梢生長が抑制された. 葉の障害程度は, M 4及びM 11で最も大きく, M26で最も小さかった. 葉のCl及びNa含量は, 処理濃度の上昇及び処理期間の経過に伴い増加した. Cl含量は, M 4, M 7及びM 11台で高く, M 9及びM 26台で低かった. Na含量は, M 4, M 11及びM 27台で最も高く, M 26台で最も低かった. M 11台において葉のK含量は, Na含量の増加に伴って低下した.<br>3. 以上の結果より, 供試した9種類のリンゴ台木においては, M 11, M 4及びM 27はNaClによる障害を被り易い台木であり, 一方M 26, 次いでM 9及びM 16は耐塩性の強い台木であると思われた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 56 (2), 135-141, 1987

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ