ウンシュウミカン樹におけるたんぱく質の分別と春季における消長

書誌事項

タイトル別名
  • Isolation and Spring Mobilization of Proteins in Citrus Trees (<i>Citrus unshiu</i> Marc.)
  • ウンシュウミカン樹におけるたんぱく質の分別と春季における消長〔英文〕
  • ウンシュウ ミカン ジュ ニ オケル
  • Isolation and Spring Mobilization of Proteins in Citrus Trees (Citrus unshiu Marc.)

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抄録

23年生ウンシュウミカン樹の葉, 2年生枝の皮質部及び木質部より0.1Mトリス緩衝液 (pH8.0) 可溶及び0.2M水酸化ナトリウム可溶たんぱく質を抽出した. またトリス緩衝液可溶たんぱく質について, DEAEセルロースカラムクロマトグラフィー及びゲルろ過法によってそれぞれ6種類及び5種類のたんぱく質画分に分別した. これら各種たんぱく質画分の消長を3月から7月にかけて調べた.<br>各器官より得られた可溶たんぱく質及び分別たんぱく質のほとんどがこの時期, 程度に差があるものの明らかに減少した. ただ葉においては, 分子量約55,000のたんぱく質の減少割合が他に比べて大であった. 皮質部よりトリス緩衝液で抽出し, DEAEセルロースカラムで分別した6種類のたんぱく質画分のアミノ酸組成には明白な違いはなく, 特異なアミノ酸組成のたんぱく質は存在しなかった.<br>これらの結果から, ミカン樹の各種たんぱく質のほとんどは程度に差があるが, 窒素貯蔵の役割を持つと考えられる. また葉中窒素の貯蔵的役割を論ずる場合, データは濃度単位でなく, 葉1枚当たりで扱う必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 55 (3), 266-272, 1986

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (8)*注記

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