減圧貯蔵法における減圧解除後の果実呼吸量及びエチレン生成の特長

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タイトル別名
  • Characteristics of Respiration and Ethylene Production in Fruits Transferred from Low Pressure Storage to Ambient Atmosphere
  • 減圧貯蔵法における減圧解除後の果実呼吸量及びエチレン生成の特長〔英文〕
  • ゲンアツ チョゾウホウ ニ オケル ゲンアツ カイジョゴ ノ カジツ コキュウ

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抄録

収穫後の果実のエチレン生成には酸素を必要とし, 果実を窒素で満たすような嫌気的条件におくと, エチレン生成は速やかに停止する. エチレン生成をとめておいた果実を空気中に戻すと, 直ちにエチレン生成を開始し, その生成速度は果実を空気中にそのままおいておいたもののエチレン生成速度よりも一時的に大きな値を示すとされている.<br>本報告では, 減圧すなわわち酸素分圧の低い条件においても, 貯蔵果を常圧へ戻した時に上記と同様のエチレン生成をするかを検討したものである. 一時上昇型クリマクテリック呼吸を営むニホンナシ及びトマトについて, 190, 285 Torr でそれぞれ36日間, 40日間貯蔵した果実を, ほぼ1週間ごとに常圧に戻し, その0~3, 3~6, 6~12, 12~24時間内の二酸化炭素とエチレンの生成量を測定した. 常圧で貯蔵していた果実と比較して明らかにエチレン生成量が多く, 一方呼吸量は低い傾向であった. 非クリマクテリック呼吸を営むオレンジ果実は,常圧に戻した後のエチレンの生成量も呼吸量も少なかった. ニホンナシとトマト果実については, 果実品質に及ぼす減圧の好影響が認められたが, オレンジは190 Torr 下でも98%RHのように高湿で貯蔵すると, 常圧に移したあとの二酸化炭素とニチレンの生成量が, 1901 Torr•75%RH及び760 Torr•85%RHで貯蔵した場合より大きな値を示し, また変質と腐敗とが多かった.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 55 (3), 339-347, 1986

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (9)*注記

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