茎頂培養によるニホンナシ栽培品種の大量増殖について

書誌事項

タイトル別名
  • <i>In Vitro</i> Propagation of Japanese Pear Cultivars
  • 茎頂培養によるニホンナシ栽培品種の大量増殖について〔英文〕
  • ケイチョウ バイヨウ ニ ヨル ニホンナシ サイバイ ヒンシュ ノ タイリョウ
  • In Vitro Propagation of Japanese Pear Cultivars

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抄録

ニホンナシ栽培品種‘二十世紀’, ‘おさ二十世紀’, ‘新水’, ‘幸水’, ‘豊水’及び‘八雲’を供試し, 茎頂培養による大量増殖法を検討した.<br>1. 供試した各品種の茎頂 (0.5mm以下) を1mg/lのBAと0.1mg/lのIBAを含む2分の1の濃度のMS培地 (1/2MS) に植え付け, 継代を繰り返した.各品種のうち, ‘新水’及び‘二十世紀’は他の品種に比べ培養当初, 葉条の生育や増殖が劣った. しかし, これらの品種においても継代回数が4代目以降になると, 葉条増殖は徐々に良好となった.<br>2. 各品種の葉条の生育と増殖に適した寒天と培地の種類を検討した結果, 寒天では粉末寒天がすぐれ, さらに培地では‘二十世紀’, ‘おさ二十世紀’はWPM, 他の品種は1/2MSが良好であった.<br>3. 増殖した各品種の葉条を用いて, 種々の発根方法を検討した結果, いずれの品種においても継代回数が6代目までは全く発根しなかった. しかし, 7代目以降になると徐々に発根個体が認められ, 継代回数を重ねるごとに発根率も増加した. いずれの品種においても最適の発根方法は, フロログルシノール (PG) 162mg/lを添加した2mg/lのIBAを含む修正LS培地 (1/2Macro-LS) に葉条を植え付け, 5日間暗黒下に置床後,PG 162mg/lを添加したホルモンフリーの 1/2 Macro-LS 培地に植え替える方法であった.<br>4. 発根した幼植物をフラスコから取り出し, ピートモスを入れた容器に植え替え, 全日長の恒温器内で2週間馴化させた後, ポットに移植すると順調に生育した.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 58 (1), 37-42, 1989

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (11)*注記

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