書誌事項

タイトル別名
  • Inheritance of Fruit Cracking at the Calyx End and Stylar End in Japanese Persimmon (<i>Diospyros kaki</i> Thunb.)
  • カキ ノ ヘタスキ ト カチョウ レッカ ノ イデン
  • Inheritance of Fruit Cracking at the Calyx End and Stylar End in Japanese Persimmon (Diospyros kaki Thunb.)
  • Inheritance of fruit cracking at the calyx end and stylar end in Japanese persimmon

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説明

旧園芸試験場における30年間にわたるカキ育種調査成績を取りまとめ, カキのへたすきと果頂裂果の遺伝様式を検討した.<br>1. 在来品種122品種の調査成績から, PCNA品種群は他のタイプと比べて特異的にへたすき性と果頂裂果性を持っていることが明らかとなった. へたすき性と果頂裂果性はPVNA, PVA及びPCA品種群の間に顕著な差はなかった.<br>2. へたすき性を持たない品種間の交雑からは, ほとんどがへたすき性のない後代が生じた. へたすき性を持つ品種間の交雑, 及びへたすき性を持つ品種と持たない品種との交雑からは, へたすき性の強い後代からない後代まで幅広く分離した. このことから, 育種的には, へたすきを生じさせない遺伝子についてへたすき性を持つ品種はヘテロ, へたすき性のない品種はホモと考えるのが有効であると思われた.<br>また, へたすきのない後代の出現率と平均親値の間にはr=-0.64**または-0.54**の相関が認められ, 平均親値は望ましい後代の出現率を予測する指標となると思われた.<br>3. 果頂裂果の遺伝様式はへたすきとほぼ同様であった. 果頂裂果のない後代の出現率と平均親値との相関は, r=-0.68**または-0.76**であり, へたすきよりも高かった.<br>4. 系統適応性検定試験に供試されたPCNAの選抜系統は, かなり高い頻度でへたすき性および果頂裂果性を持っていた. PCNAの育種の過程では, へたすきまたは果頂裂性を持つ後代がかなりの頻度で生じるため, 選抜過程ではその遺伝的特性を的確に把握する必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 57 (1), 8-16, 1988

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (1)*注記

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