書誌事項
- タイトル別名
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- Physiological and Chemical Studies on Ascorbic Acid of Fruits and Vegetables
- 果実,そ菜のアスコルビン酸に関する生理化学的研究-3-青果物のOxidized ascorbate reductaseの特性と貯蔵中の変化について
- カジツ ソサイ ノ アスコルビンサン ニ カンスル セイリ カガクテキ ケンキ
- III. The Characteristics of Oxidized Ascorbate Reductase and Changes of the Enzyme Activity during Storage of Fruits and Vegetables
- (第3報)青果物の Oxidized ascorbate reductase の特性と貯蔵中の変化について
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説明
本研究は青果物の還元型アスコルビン酸(ASA)保持に作用する Oxidized ascorbate reductase の特性について検討するとともに貯蔵中アスコルビン酸が急減する低温障害発生時, および葉菜類の黄化時における本酵素活性の変化について調べ, 青果物における本酵素の役割を明らかにしようとした.<br>1. 本酵素は基質とし♦ L-Monodehydroascorbicacid (MDHA) に作用し, 補酵素として主にNADHを用い, トリス緩衝液中で高い活性を示すことがわかった.<br>2. 本酵素のpHおよび温度特性をみたところpH7.5~8.0付近で至適pHを持ち, 35°C前後で最適反応温度を持つことがわかった.<br>3. 阻害剤および金属イオンの本酵素に及ぼす形響は, SH基の不活性剤であるp-Hydroxy mercuribenzoate(PHMB), 5, 5′-Dithio-bis(2-nitrobenzoic acid)(DTNB), モノヨード酢酸で活性が阻害され, またクロロゲン酸でも強い阻害がみられた. 金属イオンについては AgNO3(1×10-3M, 1×10-4M), FeCl2(1×10-3M)で阻害されたのを除いて, 他の金属イオンは本酵素に影響を与えないことから, 本酵素はSH酵素であり金属イオンを activator としない酵素であると考えられた.<br>4. 数種青果物における本酵素の活性は, Ascorbateoxidase 活性が強いとされているカボチャ, キュウリ, ニンジンなどで強いのに対し, 葉菜類やジャガイモ, サツマイモのようなものでは弱いことがわかった.<br>5. ASAの減少が著しいピーマン種子およびサツマイモの低温障害発生に伴う本酵素活性の変化をみたところ, 障害発生前に一時急増し発生に伴い低下することを認め, この活性の低下の一因としてクロロゲン酸の増加が考えられた.<br>6. ホウレンソウを用い黄化に伴う本酵素活性の変化を調べたところ, 貯蔵当初は活性の変化がみられないが, 黄化に伴いASAの減少と平行して本酵素の活性も低下することが明らかになった.<br>本研究の一部は1977年園芸学会春季大会で発表した.
収録刊行物
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- 園芸学会雑誌
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園芸学会雑誌 47 (1), 121-127, 1978
一般社団法人 園芸学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206303102080
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- NII論文ID
- 130001160761
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- NII書誌ID
- AN00025257
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- COI
- 1:CAS:528:DyaE1MXhs1Kksb4%3D
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- ISSN
- 1880358X
- 00137626
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- NDL書誌ID
- 1945939
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可