栗樹の雌花の形成に關する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on female flower formation with chestnut trees

抄録

1. 從來帶雌花穗の出現の時期に關して明確な知見が少いので昭和21年3月8日-5月26日及び昭和23年3月15日-4月30日の2囘にわたり約5~10日毎に銀寄の頂芽及びその新梢を取り, 主として帶雌花穗出現の時期に關し研究した。方法は解剖顯微鏡によるか或は切片を作り鏡檢した。<br>2. 帶雌花穗の形状は純雄花穗より短小であり, その形態的特徴は4月中旬以降に明となりその以前は單に生長點に次ぐ2~3の突起として認められるに過ぎない。又帶雌花穗は基部花穗より平均12節の位置に着生するがこれは休眠芽の先端に近く, その下方に續く純雄花穗は既に棍棒状に發育して居り, 4月上中旬の發芽展葉と同時に帶雌花穗を形成し更に葉芽を増加し乍ら新梢が伸長する。雌花の分化は4月中, 下旬であるので松原氏3)の認めた前年7月中, 下旬に分化した花芽より雌花を形成するものでない。<br>3. 從つて結果母枝剪定の影響が催芽直後 (4月上旬) を境として以後はその效果の減少したと云う梶浦氏4)の實驗の説明が可能である。

収録刊行物

  • 園芸学会雑誌

    園芸学会雑誌 18 (1-2), 52-56, 1949

    一般社団法人 園芸学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ