ワイン用原料ブドウ‘セイベル9110’,‘セイベル13053’, ‘セイベル8745’の品種特性について
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- 山川 祥秀
- 山梨大学工学部附属発酵化学研究施設
書誌事項
- タイトル別名
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- Characteristics of French Hybrid Wine-Grape Cultivars, ‘Seibel 9110’, ‘Seibel 13053’ and ‘Seibel 8745’
- ワインヨウ ゲンリョウ ブドウ セイベル 9110,セイベル 13053,セイ
- Characteristics of French Hybrid Wine-Grape Cultivars, ^|^lsquo;Seibel 9110^|^rsquo;, ^|^lsquo;Seibel 13053^|^rsquo; and ^|^lsquo;Seibel 8745^|^rsquo;
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説明
フレンチ•ハイブリッド直産品種の‘セイベル9110’, ‘セイベル13053’, ‘セイベル8745’の3品種について, 果実成熟中の果汁成分の経時的変化と栽培上の特性及びワイン品質について調査した.<br>1. 果粒径, 果粒重及び果房重の最大値は, ‘S.9110’ においては9月上旬の16.0mm, 2.8g, 480gで, ‘S. 13053’においては8月下旬の15.0mm, 2.0g, 230gで, ‘S.8745’においては9月上旬の16.0mm, 2.8g, 250gであった. いずれの品種も果粒は小 (1.1~3.0g) に属した.<br>2. 完熟期における果汁pHは, いずれの品種も同じで, ‘S.13053’は8月下旬に, ‘S.9110’, ‘S.8745’は9月上旬に, それぞれpH3.4であった.<br>3. ‘S.9110’及び‘S.13053’においては, 完熟以降, 果汁酸度が低くなりすぎることから, 果汁酸度に注意して収穫適期を決定する必要があった. 他方, ‘S.8745’の果汁酸度は0.8g/100ml以上を保っていた.<br>4. 果汁糖度の最大値は, ‘S.13053’においては8月下旬の16%で, ‘S.9110’においては9月中旬の17%であった. ‘S.8745’の果汁糖度は暖かな天候の年には9月下旬で20%に達したが, 低温の年にはこれより低い値であった.<br>5. 完熟期において, ‘S.9110’のG/F値とT/M値は0.9, 1.5を示し, ‘S.9110’は果糖の多い品種であった. ‘S.13053’と‘S.8745’のそれらは1.0, 2.0を示し, 両品種は酒石酸の多い品種であった.<br>6. ‘S.9110’と‘S.13053’は成熟日数が短く, 成熟積算温度も低く, 寒冷地を適地とする品種と思われた.<br>7. いずれの品種も栽培は容易で, 豊産性のため収量規制が必要であった.<br>8. ‘S.9110’ワインはフルーティーなアロマを持っているが, 酸味がやや不足しており, 褐変しやすかった. ‘S.13053’ワインは酸味と渋味不足のためフラットで, アロマに高貴さがなかった. ‘S.8745’ワインは酸味, 渋味とも十分で, 重厚さを持っていたが, アロマに高貴さがなかった.
収録刊行物
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- 園芸学会雑誌
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園芸学会雑誌 53 (4), 396-404, 1985
一般社団法人 園芸学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206303564928
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- NII論文ID
- 130001153167
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- NII書誌ID
- AN00025257
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- ISSN
- 1880358X
- 00137626
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- NDL書誌ID
- 3033564
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
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- NDLサーチ
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